目次

もう終了の気配濃厚なPENTAX Qシステムについて、死んだ子の年を数えるページ。

レンズ雑感

01 STANDARD PRIME

スペック

8.5mm F1.9。Q-S1/Q7で39mm。Q10/Qで47mm。

微妙に半端な焦点距離と、F1.9。わざわざ8.5mmで作ってるけど、計算すると7mmか8mmのほうが扱いやすい画角になるはず。

PENTAXのF1.9といえば、名玉FA Limitedの77mm。コンパクトな中望遠をF2より明るく作りたい、85mmだとF2だけど77mmならF1.9にできる、といって成立した半端な焦点距離と明るさ。

このへんの設定は、Limited気分を狙ってるんじゃないかな。

スペックシートでは、最大撮影倍率0.05倍とあるが、これはおそらく焦点距離同様に、Q7系4.6倍・Q10系5.5倍で計算すべきかと思う。Q7で0.23倍相当かな。

細かいことだけど、レンズシャッター機ながらストロボに全速同調したりはしてくれないようで、1/250秒まで。

使用感

基本的によく写るし、明るいから暗いところにも強い優秀なレンズ。

逆光に弱いところを見せがちなのが弱点か。純正のフジツボフードをつけると弱点は消える。しかし、キャップがねじ込みになって非常に取り回しが悪化する。まあ前玉触る事故もなくなるし、キャップ外したまま運用すりゃいいのだけど。

フードはカッコいい仕上がりなのだけど、私の手元の個体では取り付けると前面のマーキングが逆さまになる。

計算上はクォーターマクロくらいには寄れるのだけど、レンズ直前まで寄れるようなコンパクトデジカメほどにはいかない。F1.9だけに背景のボケは取れるが。

使いやすさでいえばもう少し広角のほうがよくはあるのだけど、まあ、標準単焦点レンズとしてほとんど文句のない仕上がりに思う。


02 STANDARD ZOOM

スペック

5-15mm F2.8-4.5。Q-S1/Q7で23-69mm、Q10/Qで27.5-83mm。Q10系でいかにもな標準ズーム、Q7系で広めに使える標準ズーム。

もうちょっと明るいと嬉しいんだけどな。APS-CのキットレンズにありがちなF3.5-5.6より2/3段くらい明るいけど、もう1クラス上ならF2.8-4が出るのだし。いっそF2.8通しなんかだったら素敵だったが。

使用感

大抵のシーンでよく写るし扱いやすい。しかし手厳しくいえば、これつけてるとただ単なる3倍ズームのコンデジになってしまう、あまり面白みはない。

弱点としては、これもたまに逆光が怪しい。フードが欲しい。

純正フードは花形で、性能は確か。ちと高く見えるけど、内側を反射防止加工した丁寧な品。小さいからつけたままキャップの付け外しもできる。多分過去にはサードパーティの何かがあっただろうけど、この純正は相応に良いものだ。

最大撮影倍率は0.06倍で、テレ端では01 STANDARD PRIMEよりも大きく写る。マクロレンズがないからこれを使うことになるが、しかしテレ端近接で絞り解放近くだと、かなりふわっとした描写になる。

プログラムオートだと、テレ端で近接になるときは、かなり頑なにF6.3まで絞る。F6.3 1/80秒 ISO12800なんて露出を出してくるくらい。PENTAXも、近接で絞る必要を認識しているレンズなのだろうと思う。


03 FISH-EYE

スペック

3.5mm F5.6。およそ対角魚眼。180度にわずかに足りないが、まあそこが問題ではないと思う。

これは「高性能レンズ」のシリーズではないので、マウントはプラ、レンズシャッターなし、絞り解放固定、MF。

ただしこのレンズは、前玉に触ってしまいやすいためか、SPコーティングは採用している。

このレンズはQ7/Q-S1で使うとケラレるようで、内部処理で勝手にトリミングされる。トリミングだけならいいけど、勝手に1200万画素に拡大してしまう。なんとRAWでもそうされる。当然画質は下がる。03 FISH-EYEがQ-S1で切り抜き拡大されるのを防ぐ (古典コンピュータ愛好会内)にて、トリミング拒絶法が紹介されていた。

使用感

魚眼だと割りと当たり前かもだけど、レンズ前2cmくらいまで寄れる。もちろん画角が広すぎて、マクロという感じにはなりにくいが。

トイレンズ扱いだといっても、ピントをちゃんと合わせると案外しっかり写る。パンフォーカスにしたい場合は、左から2番めあたりの目盛りに合わせておけばよし。なぜかFar側の端まで回すとオーバーインフ。

逆光でも別に無茶苦茶というほどにもならない。これはちょっと意外。PENTAX独特の変な真面目さで、コーティングとか内面反射処理とかちゃんとしてるのかも。

8000円くらいで買えるけど、金銭的にも物理的にも手軽に魚眼を楽しめる。

実写サンプル


06 TELEPHOTO ZOOM

スペック

15-45mm F2.8通し。Q-S1/Q10で69-207mm、Q10/Qで83-249mm。

ズームリングを回して繰り出しが必要な沈胴式レンズ。2cmくらいしか変わらない。そして繰り出した後はインナーズームで全長が変化しない。まあQの場合は、2cm違うと収納性に差が出るのは確かだけれど。

70-200mm F2.8、なんてフルサイズだったら完全に重量級レンズだから、Qの長所を活かしたレンズではある。

使用感

私はAPS-Cでも望遠ズームはマクロみたいに使うのが好きだから、このレンズは近接力が低い。Qだと小柄だからつい近寄ってしまうし、最短1mじゃ寄りきれないし、換算200mm(APS-Cなら135mm)じゃ長さが足りない。梅・桜とか、水族館にDA50-200mmは扱いやすいんだけど、それを06 TELEPHOTO ZOOMでやるのは苦しい。寄れない。

もうちょっと大きな被写体には合いそうで、多分これポートレートレンズじゃないかな。45mm F2.8ならボケも出るし。ただ、私ポートレートなんかまったく撮らんのだよな……

これが活かせる状況を模索中。


07 MOUNT SHIELD LENS

スペック

11.5mm F9。Q-S1/Q7で53mm、Q10/Qで63.5mm。

いわゆるボディキャップレンズ。KマウントのDA40mm F2.8XSのようなちゃんとしたレンズじゃなくて、単玉。周囲は流れるし、いわゆるちゃんとした写りとはいえない。

使用感

このレンズをただ使って何かまともな写真が撮れるってものでもない。

しかし、デジタルフィルターが合う。ハードモノクロームなんか曰く有りげになるし、何につけてもやりすぎなくらい効果をキツくかけると似合ってくる。