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pentaxレビュー

文書の過去の版を表示しています。


私も気がつけばフィルムから15年、デジタルから10年来のPENTAX一眼レフユーザー。

せっかくなので、これまで使ってきたボディ・レンズについて少し記録しておく。

ボディ

K-70

17年9月購入。ヨドバシカメラのタイムセールで、ボディのみ7万円の10%還元。

ペンタプリズム視野率100%ファインダー、スクリーン交換可、KAF4マウント、防滴、手ぶれ補正強化、像面位相差ハイブリッドAF、ローパスセレクター、バリアングル液晶、WiFi、2ダイヤル操作系、リアルレゾリューション、電子水準器、自動水平補正、豊富なデジタルフィルター。

全部入り。いつもながらペンタックスの下位モデルは異様に豪華で、そのくせ外装やボタン類がチープだったりもしない。去年出た自社の上位モデルを食うような設定で出すことすらあるけれど、K-70はその例。あまり大きくないけど、ライブビューでのAFならK-1より速いらしい。

今まで私は1ダイヤルのローエンド機を使い続けてきてるから、2ダイヤルになって操作系ががらっと変わった感じはある。1ダイヤルならそれはそれで合理的に作ってはいるけど、2ダイヤルだとより速いんだなあ、というのはわかる。慣れよう。

K-01

12年発売、購入は13年に値崩れしたときにセールを見かけて。確かDA40mmF2.8XSがついて3万円台の破格だった。

Kマウントだけど一眼レフファインダーがないミラーレス一眼。まあ変態モデルといえば変態モデル。まるでカメラらしくない格好に、色も風変わりなものが多かった。私は白黒のパンダモデル。実にプラスチッキーで、カードスロットカバーがグリップ兼用のシリコンゴムだったりするが、これは意外と4年使っても劣化はほとんど気にならない。

しかし、一眼レフの軽めのモデルよりさらに100gは軽く、ボディも小さめかつ直方体に近いので収まりがよい。私はハンドストラップ派なのだけど、K-01は実にハンドストラップが似合う。PENTAXお得意の小さな単焦点レンズ、DA40mmF2.8XSやDA21mmF3.2がよく似合い、気楽に持ち出せる。

あまりエルゴノミクスなグリップには見えないけれど、案外持ちにくくもない。少々グリーンボタンが指から遠い程度か。

ボディサイズの割にバッテリーは大きなもので、常時ライブビュー撮影でも不安のないバッテリーライフ。

センサーも当時のハイエンドだったK-5と近いもののようで、またローパスフィルターを弱くしている(本来複数枚合わせて使うものを一枚に減らしてるとかそんな話)こともあり、写りもかなりよかった。常にコントラストAFなのでピントが正確なのもあるのかも。

弱点はやはりコントラストAF。オリンパスなどはミラーレスでもそのための設計をしているけど、K-01はKマウントレンズそのままだから、かなり遅さが目立つ。小さいレンズならマシだけど、大きめのレンズは顕著に遅い。超音波モーターのレンズも使えるが、使ってもやっぱり遅い。しかも平板な色のものには合わせられないし、暗さにも弱かった。ちゃんと合う時は正確だし、ダメならダメで正直に言うから、失敗写真量産ってことはないのだけど、そもそもシャッター切れないことがよくある。

DA21mmのような小さいレンズを、昼間の散歩で使うといった用途ならAFの弱さをマスクできるので、そうなると使って心地よい、気軽に持ち出せる、写りの良いカメラになる。

K-x

09年発売で、わりと早く購入した。7万5000円だったか、初物エントリークラス一眼レフらしい値段で。

世間的にはカラバリがヒットして、その後PENTAXが長らく味をしめる第一歩だった。

しかし中身も大したもので、PENTAXのローエンドでは初めてCMOSセンサーになったモデルで、09年当時としては異様なまでに高感度画質がよいカメラだった。今でこそわりとあたりまえにやってるけど、夜の町中で手持ちで撮れる、なんてことを平然とやれるのはかなりの驚き。

当時の上位モデルK-7を一部上回ってしまっていたローエンド機だった。ファインダーとか画素数とかシャッターとか、ちゃんと劣る部分も多かったけれど、暗所性能は完全に勝っていたし、AF頼りないのはどちらも同じ。

単三電池で動くというのもメリットと言えばメリット。ただ、少々電池にシビアな感じもあり、妙に早く切れたりとかはしがちだった。私は、電池蓋の端子裏に紙を丸めて挟み、接触圧を上げていた。

ファインダー内のAF測距点スーパーインポーズが省略されてしまっている、というのがはっきりと弱点で、私はどこに行くか不安だからマルチAFは使えなかった。これは次のK-rで解決する。

*ist DS2

05年発売。K-10Dが発売した直後の06年に購入。ボディのみ4万円くらいだっけ。K-10Dから手ぶれ補正が搭載されて、PENTAXユーザーのお金がある人は一気に飛びついたもんだから、*ist世代のカメラは一気に中古に流れて値段も落ちた。

私は前からKマウントレンズがあったから、自動的にデジタルもPENTAXになった。まあ28-70mmのズームレンズなんか、43-116mmとかになっちゃって使いづらくて仕方なかったけど。

一応、上位機種の*istDS2と、下位機種のDL2があった。しかし違いは、ファインダーがペンタプリズムかペンタミラーか、AF測距点が11点か5点か、という程度の差。ボディ外観までまるで同じだった。

ちょっと他社製品を引き合いに出すのはよくないけれど、EOS Kiss Digital初代モデルは、業界に価格破壊を起こしてアマチュアまでデジタル一眼を持つようにさせた偉大なカメラだというのはわかってはいるけど、それにしたって、外装やら触感が恐ろしくチープだった。PENTAXは後発の有利さで、*istシリーズは値段の割に上等な感じを受けられる外観・手触りだった。

シンプルながらも完成された操作系で、K-01やQ-S1などの最近のモデルでも、1ダイヤルのPENTAX機は同じように扱える。K-70は2ダイヤルだからちょっと違うけど。

まあ手ぶれ補正がないのは当時としては普通のことだったし、600万画素というのも当時としては普通。モノとしてのチープさもなく、ただしっかりした普通のカメラ、という感じだった。

フィルムの頃なら、こういうオーソドックスで真面目なカメラはいつまでも使えたかもしれない。デジタルだと手ぶれ補正もない高感度も使えない600万画素機はもう実用にならない。進歩なのかな。

レンズ

PENTAXは、早いうちにフルサイズもリリースするはずが一度コケてしまい、結局2016年までK-1を出せず、2003年の*ist D以降実に13年間もAPS-Cボディだけの時代ができてしまった。最後のフィルム一眼レフボディ*istも2003年に出ているが、何年続けたのかな。

いざフルサイズのK-1が出ると、現行製品は、13年間替えが効かない存在で有り続けたFA43mmや77mm Limitedシリーズほか一部高級レンズだけ、新製品はいきなりF2.8通しズームやらのヘビー級、となってしまった。

フルサイズ空白の13年間は、私みたいなカネのないPENTAXファンに、フルサイズを諦めてDAでシステムを揃えることを決断させるに十分すぎる期間で、そしてそれはフルサイズ移行への重い足かせになるのであった。

smc PENTAX DA21mmF3.2AL Limited

ライカ判換算で32mm相当。2006年ごろに発売。今は円形絞り・HDコーティングになったHD PENTAX DA 21mmにモデルチェンジしている。

へんな焦点距離、ちょっと暗い、でも小さい。

換算32mmは半端なようで意外に無難で何でも撮りやすい。広角だから別に背景を大きくボカしまくろうというようなものでもないし、F2.8から1/3段ほど暗い程度じゃどうってこともない。そして、概ね小型のものが多いPENTAXボディには、小ささがよく馴染む。

20cmまでと意外に寄れるレンズでもあり、小さな花のクローズアップなどは無理でも、手元の料理やモノ程度は撮れちゃう。

外観もかちっとした金属感があり、専用フードもコンパクトかつデザインに馴染む。外す理由がないので付けっぱなしだけど、逆光耐性に問題を感じたこともない。キャップも金属で、内張りのフェルトがしっとり摩擦して止まるタイプ。別に落下事故はない。

小さい、軽い、外観がいい、画角も手頃、逆光にも強いと、普段使いレンズとしてまったくもって最高の一品と思う。どこに向けてもちゃんと写るようなレンズ。

私が認識している欠点としては、ボケがどうにも汚くて、最短近くで花を撮ったりすると、遠景がすごくガチャガチャする。元々ボケを積極的に活かすレンズじゃないから表面化はしにくいんだけど。

また、解像度などを数値的に測ると、あまり高性能とはいえない。らしい。1600万画素のK-01までは感じなかったけど、2400万画素になったK-70で撮ってみると、たしかにまあカリっとした写りではないかなあ、と見えなくもない。

しかし元々、PENTAXのLimitedレンズは、数値性能の追求はあえて突き詰めないレンズだといって作っているし、ユーザーもわかって使っているもの。これでいいのだ。

現行のHD版は、私のsmc版より写りが良くなっているという声が多い。レンズ構成は変わらないはずだけど、コーティングと、あるいは工作精度とかも上がったのかもしれない。また、絞りが円形絞りになって、汚いボケも少しマシになるのかも。

HD版は良いんだろうけど、まあ私は、もう10年近い付き合いがあって、初めて使った時にすごくいいと感激して、色んな所に持っていって、一度壊して修理して、ボディ4台目になってもまだ主力レンズのままでいる、手元のこのsmc DA21mmが愛着ある存在だから、直せないほど壊れない限りは手放さないかな。

smc PENTAX DA17-70mmF4AL[IF]SDM

ライカ判換算26-107mm。2008年ごろ発売。ちょいと広角側から使え、望遠側も長めと、レンジは扱いやすい。

ほとんどDA21mmしか使ってなかった時、ちょっと仕事でズームほしいと思ってたら、そのDA21mmを修理に出しにいったPENTAXのサービスセンターで、アウトレットを32800円という破格で販売していたから購入。2015年のこと。

開放F値はF4通しなんだけど、広角側だと開放設定でも少しだけ絞られちゃうタイプ。FA28-70mmF4ALとかでもこういう仕様で、なんかPENTAXは昔からこうする。

古い時代のズームなら、ズーミングするたびにF値が変動すると露出の設定がめんどくさいというのがあったけど、AE以降はあまり関係ない。マニュアルのフラッシュを使うなんてことがあればやはり固定F値が便利だけど、純正品は当然TTLオートフラッシュ。

広角側で絞り開放での写りがPENTAX的に納得しきれず、F4に絞ればOKだった……とかだろうか。

F4通しということは、F2.8のハイエンドじゃないにせよ、F3.5-5.6のようなエントリークラスでもない、中級クラスのもの。ゆえにそこそこ重さも大きさもあり、フィルターは67mm。ボディもやや大ぶりのほうがよさそうで、K-70ならともかく、小さなK-01にはイマイチ似合わず。

やっぱりレンジの広さは便利で、重くてもいい気分の時には持ち出せるレンズ。軽快に行きたい時にはダメだけど。

最短撮影距離も28cmと短く、望遠端なら倍率0.31倍とかなり大きく写せる。

映りに関しては、望遠端で遠景を撮ると随分甘く感じる。ただまあ、これはどんなズームでもそう。望遠端でも近距離とか、広角~中間だとどの距離でも、ごくごく普通に安定して写る。

標準ズームは他にも色々あって、DA17-70mmは、レンジも中間、明るさも中間、値段も中間、同価格帯にもっと便利そうなDA18-135mmやDA18-270mmがある、大きめ、重ため、と、中庸な立ち位置の製品ではある。タムロン・シグマも含めるともっと安いとか明るいとかがある。

なんだか、これであるべき、という強いアピールがなくて、売りづらそうなレンズには見える。でも、もう10年近くディスコンしない。もしかすると、「DA18-55mmじゃ足りない、DA★16-50mmは高いし、タムロンの高倍率試したけどちょっと……」といった人が、この目立つ長所も欠点も無いというところに落ち着く、そんな存在なのかもしれないなあ。

TOKINA AT-X242AF

フィルム時代の、24-200mmF3.5-5.6の高倍率ズーム。2007年ごろ、なんかx1.4テレコンつきで12800円だったか、謎の投げ売りを見かけて購入。新品なのだけど。

私は*ist DS2をボディだけ買ってたから、18-55mmのようなAPS-Cで使うのにちょうどいいズームレンズがなくて不便だったところ、広角端24mm、つまり換算36mmという手頃に使える焦点距離がちょうどよかったので飛びついた。

まあPENTAXのボディに対しては、あまりにも重厚長大なレンズで取り回し悪かったんだけども、一本だけで行きたい時は便利ではあった。

とはいえやっぱり、画質は厳しいものがあった。K-xの頃はまだ耐えられたけど、K-01になって他のDAレンズがハっとするようないい映りを見せてくれていたところ、こいつは逆に収差がはっきり見えて厳しくなってきた。

最短が80cmもあったのも辛かった。最近の高倍率ズームは、寄るのはもっと寄れるみたいだけれど。

結局、*ist DS2を譲った友人にこのレンズは譲渡。時代なりの製品ではあっただろうから、2013年のカメラでダメだからと文句いうものでもないと思う。

smc PENTAX DA L 18-55mm F3.5-5.6 AL

K-xのキットレンズ。Lが付かない単品の18-55mmは、少し変更されたIIがあるのだけど、Lの方もIIがベースだったはず。

pentaxレビュー.1475721195.txt.gz · 最終更新: 2016/10/06 11:33 by mubouan