2018年12月、大阪駅前ビルのレンタルボックスで、なんか600円で売ってたので。クモリありということだった。
1987年発売、古くから隠れEDレンズとして知られている一本で、画質の評価も高い。F4-5.6の暗さは廉価版っぽいけど、もう一段格上のものっぽい。
このレンズの発売時点だと、オートフォーカスのボディは一号機のSFXしかない。当然安いボディではないはずで、レンズも廉価クラスでは釣り合わない。
1988年になって廉価モデルのSF7が出て、89年にはsmcなしのPENTAX-F 70-200mmF4-5.6が出る。こちらが廉価望遠ズームのはずだ。
暗い3倍望遠ズームで、サイズはそれほど大きくない。重量は555gあってそこそこ重ため。
フィルター径Φ49。PENTAXスタンダード。
フードは、バヨネット型のものはそもそも取り付けるところがない。ねじ込み式の49mmフードなら適当に使えるはず。
クモリの発生は持病らしく、この個体も、レンズを後ろから覗いて光源に当てると、細かな水滴が無数に飛び散ったような面があるのが見える。おそらくグリスの劣化・飛散によるもの。
クモリがあるはずなんだけど、時々条件によってコントラストが下がるな、という程度の影響しか感じられなかった。どの個体もこんな影響軽微なクモリ方なのかは不明だけど。
30年以上前のレンズだけれど、APS-Cで使うと隅まで安定した画質。ボケまできれい。
流石に解像度は、2400万画素APS-Cセンサーに対してカリカリにシャープとまでいえないけど、それは80年代のズームレンズに要求するほうが無理だ。開放でもちょっと甘い程度で十分いけるし、1/3段絞る程度でもシャープに、1段絞ればかなりよくなる。
画質だけなら、DA50-200mmやFAJ75-300mmあたりの新しい梅クラスの望遠ズームより上等そう。
望遠ズームって、安い梅レンズか、高画質で明るく巨大で重く高価な松レンズか極端になりがち。F70-210mmは竹レンズで、梅より優れた画質がありつつ、松の取り回しの悪さもない、中間的なところ。
まあ、現行DAレンズにDA55-300mmF4.5-6.3ED PLM WR REという立派な竹レンズがあるので、無理にF70-210mmを探して高い値段で買う必要はないけれど。安かったら買い。
AFで動くレンズが大きいみたいで、音もうるさいし、なんだか振動する。K-70はボディのAFモーターにパワーがあるからそれなりの速度は出るけど、もう少し前のボディだと遅くなるかも。
望遠ズームは長いものが多いから、取り付けるとカメラの重心が前にずれて、ただの重量以上に持ち重りして感じることがある。けれどF70-210mmは短めにまとまっているせいか、それほど重くは感じなかった。
ただK-70はボディ側が重いからバランスするだけかもしれず、軽いボディとの組み合わせだと前荷重になるかも。